自分を知らない者は、負け続ける

楢諦

俺は、諦めなかった人、と言われることがある。


誤解だ。と言うより、無礼だ。


諦めるという言葉の、本来の意味は、現実を直視するということだ。

このベン図で言えば、Bになるということだ。


俺が、何かをやり遂げた場面だけを見て、この人は常に、そうなのだろうと、錯覚しているのではあるまいか。


絶対に諦めないとか、勝つまで頑張るという姿勢は、むしろ、勝負を捨てているのである。勝負の世界に、生きる者の思考ではない。


俺が勝ったのは、たまたま、勝てるゲームをしていたからだ。


勝てたのは、最初から勝てるゲームだったからだ。


俺のことも、自分のことも、よくわかっていない、不明な人間が、俺の踏み台になる。それだけのこと。


評価と価値のギャップが、修正されただけ。


俺のために用意された、的。


あらゆる人間を、廃人にできそうだな。