寓話:ペリカンと二つの海

楢諦

ある広大な海に、一羽の若いペリカン、ナギがいました。ナギは他のペリカンたちと一緒に漁をしていましたが、彼らが狙う海域にはいつも魚が少なく、激しい競争が繰り広げられていました。
「毎日、こんなに争っていたら、いつか自分が餓えるかもしれない……」とナギは思いました。
ある日、ナギは勇気を出して群れを離れ、見たことのない遠い青い海へと飛び立ちました。その海は透き通るほど美しく、魚たちがたくさん泳いでいました。ナギは喜び勇んで飛び込みましたが、そこには思わぬ危険が待ち構えていました。サメや大きな波がいて、簡単に魚を捕まえることができません。
ナギは戻るべきかどうか迷いました。しかし、「ここで新しい生き方を見つけなければ、群れと同じ運命をたどるだけだ」と決意し、試行錯誤を続けました。ナギはやがて、波の隙間やサメの動きを観察しながら、危険を回避して魚を捕まえる技術を磨きました。
数週間後、ナギは新しい海での漁を完全にマスターしました。その結果、他のペリカンたちよりも豊富な魚を得られるようになり、群れが彼を見つけたときには、青い海で堂々と飛ぶナギの姿に驚きました。